サメ肌な革財布

         

「サメ」「シャーク」などと聞くと、背筋が凍りつくような人もいるかもしれませんが、獰猛で海のギャングなどと称される海洋の暴れん坊を、古来から人々は、食しその皮や牙などを生活の必需品として活用してきました。革財布などの、革小物に、サメの革が使用されるのは、日本では珍しい事ではなく、日本刀の柄の部分や、鎧などの武士の道具とされる戦さの道具や、大工の仕事道具の1つである研磨剤などとして利用されていたようです。

サメの表皮は、いわゆるサメ肌等と呼ばれ、非常に硬い鱗(楯鱗じゅんりん)に覆われていることから、その強靭な硬質である「皮」を、日常的な生活の中で多用に活用してきました。現代社会の中では、サメ表皮に代用され得るものが、人工的に生産されるようにはなりましたが、それでも、そのワイルドなレザーの表情から、愛用する人々の需要があるようです。サメの皮革と同様に、珍重されているのが、「エイ」の皮です。どちらも、その特徴は、非常に硬い鱗(楯鱗じゅんりん)に覆われていることです。

      

レザー製品の格付けと実感

       

革財布や、革鞄、革手袋などの原料皮の表示を確認した際に、「カウ」と書かれていた場合は、メスの牛の革を使用している商品という事になります。「カウ」と表示されている革の原料皮は、生後2年以上の出産経験のあるメスの牛の革であるという分類になるのです。牛革の分類には、性別、年齢の他に、出産、去勢の有無などが関連してくるのです。そのようなカテゴリー分けの中で、革の厚み、キメの粗い、細かい、耐久性、防水性などの違いの傾向を表わしています。

牛革の他にも、エキゾチックレザーと呼ばれる、ワニ革にも、いくつかの分類がありますが、原料皮となるワニの種別を表わしています。

「カイマン」「アリゲーター」「クロコダイル」などに大きく分類され、素人目にも、その斑紋の模様の異なりからその違いの見分けができます。

レザー製品は、原料皮となる動物種の異なりとともに、その動物の1枚皮のどの部位のレザーを使用するかによっても、品質やグレードが大きく変わってくるものなのです。

レザー製品のモノづくりの段階で、職人やデザイナーたちが、豊富な知識と経験を用いながら、プロダクトする製品に、最適な皮選びから厳選を行っていきますが、最終的には、皆さんが身に付けた時の「実感」が大切な価値感でありますので、一般的な、格付けや品質の点に拘りをもつのではなく、手触り、着心地、愛着度などの観点から、個人的な指標をもって、レザー製品の価値を判断することが望ましいと考えています。

        

レザーに宿る癒しとは

      

経年変化を楽しむレザー製品として、革財布や革の札入れを探しておりましたが、覗いてきた財布のブランドの品々は、どこも負けず劣らず名品と呼べるにふさわしい、品質の高さに驚いております。

芸術的革小物と呼ばれる、革財布の数々は、革における全ての工程を知りつくした、デザイナーや職人たちが、妥協を許さない仕事の中で、厳選の繰り返しにおいて追求された歴史と労力の賜物でもあります。

レザー製品には、本物感というような重厚な存在感を感じるのですが、最近のフェイクレザーと呼ばれる、合皮の品質の高さにも、正直、私自信などは、見極めが困難であるほどレザーの風合いを実感できるような製品技術に驚嘆しております。そのような製品的にも見分けが困難であるようなフェイクレザーではなく、本物をしてレザー製品をチョイスする事のメリットとして、「経年変化」を楽しむ要素がありますが、これは、レザーを愛しみ育てる人の心に投影される、レザー自身がもっている独特な癒しの力であるのではないかと感じています。

私自身の勝手な、本革に対する価値について考えてみましたが、物を愛しみ、物を愛用する事自体を楽しむという、人間のもつ行動学の中には、生き物すべてに備わっている、想いをもって行動するといった、本能に近い感情を刺激しているのではないかというような考えに辿り着きました。ただ単に、ファッション性や機能性を求めるだけの愛用品であれば、選択肢は他にもみつかるかもしれませんが、レザー製品には、人びとを惹きつるような何か別の要素が宿っているような感覚がしているのです。